①福祉関連施設や事業所への支援について
始めに介護や障害などの福祉施設や事業所への支援についてお伺いします。
新型コロナウイルスが感染拡大のなかで、感染すると重篤化しかねない高齢者や障害児・者の日常生活や福祉サービス提供の基盤となる、介護施設や障害福祉施設、及び関連の事業所においては、感染への不安や緊張が募る環境下にありながらも、不眠不休でサービスの維持、継続に努めていただいており、関係者の皆さんの奮闘ぶりに感謝の言葉しかありません。
しかしながら、これらの現場では、そもそもマスクや消毒液、防護服など衛生資材の十分な備えがないことからすぐに底をつき、衛生・防護用品を求める声が多数に上り、国からの供給や自治体が防災備蓄品を融通して対応するなどで急場をしのいできました。しかしながら自治体によって差が生じたことは大きな課題となっています。
福祉の現場では、サービスの性質上、利用者に直接触れる機会が多いため、感染拡大を回避し介護崩壊を防ぐ必要から、衛生管理体制の確保への支援と併せて、今後に備え早急に県として衛生・防護用品の備蓄を行うことが大変重要であると考えます。
【質問】
感染防止に向けた施設等における衛生管理体制の確保について、千葉県の取組みはどうか。
【答弁】
福祉施設等における感染を防止するためには、衛生管理の徹底が重要です。
そのため、県ではホームページで感染防止のための3密の回避や健康チェック等、自己の健康管理の徹底について呼びかけるとともに、高齢者・障害者施設や事業所にチェックリストを送付し、職員や利用者のマスク着用や手洗い、消毒・清掃等を徹底するよう指導しているところです。
施設等で必要な衛生用品については、国から布マスクが配布されているほか、国の優先供給のスキームを活用して消毒用エタノールを供給しており、それらを適切に用いながらサービスを提供していただくようお願いしているところです。
【質問】
社会福祉施設等に対する衛生用品の備蓄を進めるべきと思うがどうか。
【答弁】
集団感染が発生した施設においては、感染拡大を防止するために大量の衛生用品が必要となり、施設だけでは確保することが難しいところがありました。
そのため、施設等におけるクラスター対策として、県では6月補正予算にマスクや消毒液等の購入費用を計上したところです。
加えて、国から新たに社会福祉施設等に必要なマスクや防護具等が配布されることとなったため、今後は、これらも活用して、衛生・防護用品を県で備蓄し、必要な施設等に供給できるよう努めてまいります。
福祉施設等への支援については、要望と再質問致します。衛生・防護用品を県で備蓄されるとの答弁をいただきました。是非速やかに取り組んでいただきたいと思います。
そして福祉施設や事業所の運営上の支援についてですが、利用者側は感染を危惧して福祉サービスの利用を控える動きが見えます。これにより心身の健康に影響を及ぼす「二次被害」が懸念されており、感染拡大時での対応をどうするのか、検討が求められています。
この二次被害に関して一例として、千葉県歯科医師会が緊急事態宣言下での高齢者施設における訪問歯科診療に関するアンケートを行い、これを八千代市歯科医師会理事の中澤先生が、「新型コロナウイルスに関連した高齢者施設での「口腔ケア」問題」として論文にまとめられたものを頂戴し、拝見しましたが、訪問診療の自粛を要因に,当初より懸念していた「口腔ケア」の不備に伴う摂食嚥下、発熱、肺炎などの症状が県内で 46%と想定以上の値を示していました。詳しくは千葉県歯科医師会のホームページにも掲載されておりますので、是非ご覧いただき、次の感染拡大に備え、対策の検討を行って頂きたいと思います。
一方、福祉関係施設において、5月11日の厚生労働大臣の国会答弁によると、本県を含め57ヵ所でクラスターが発生しました。そのため、複数の施設や事業所からは、医療・福祉・教育など関係者間でクラスターの発生予防に取り組むべきであること、そして発生した場合の福祉サービスが継続できる協力体制を事前に協議できるよう調整を図ってほしいと要望が挙がっています。
【質問】
そこで質問しますが、感染防止対策と感染発生後の事業継続などについても、平常時から介護・障害・医療・教育など地域の様々な関係者が集まり協議をしておくことが重要と思うがどうか。
【答弁】
地域の関係者が集まって協議しておくことは、感染防止に関する意識の高まりや対策の充実、感染発生後における支援・協力体制の速やかな構築等に資するものと考えます。
【要望】
福祉施設や事業所への支援については、地域ごとで事前の協議が出来るように改めて県の協力をお願いすると共に、国の2次補正予算が成立致しましたので、福祉関係に該当する支援策を本県でも可及的速やかに取り込んで実施していただきますように要望いたします。
※補足説明
その後議会最終日に、社会福祉施設等が感染症対策を行いつつ、サービスの提供などをしていくために必要な資機材の購入に係る経費(例えば消毒液など)の助成金が追加計上されました。
また、集団感染が今後起きた場合の対策としてはその他に、クラスターを抑え込むための早期のPCR検査の実施体制を構築できるかが課題となっており、これらをあらゆる関係機関に働きかけていきたいと思います。
②医療、福祉関係の従事者への支援について
続いて、医療、福祉関係の従事者への支援についてお聞きします。
本県の6月補正予算に医療提供体制を図るための「感染症病床確保事業」が計上され、医療従事者への手当にも活用できる内容だと伺っていますが、実際に新型コロナウイルス患者を受け入れる医療機関では、コロナ以外の受診や検診、入院や手術を抑制し、また医師や看護師らの手厚い人員配置を敷き、そして部屋の外にウイルスを出さない陰圧装置や人工呼吸器、体外式膜型人工肺(ECMO)などの施設の整備に多くの費用がかさんでいます。
また受け入れ病院以外においても感染を恐れて入院や外来を控える患者が多いことなど、これらを理由に経営が悪化した医療機関が多く、とても従事者の手当にまで回せる状況ではないと伺っています。
そうした状況の中でありながらも医療従事者の方々は家族に高齢者や小さい子供を抱えつつも、強い使命感で感染へのリスクや不安と闘いながら厳しい環境の最前線で働き続けていただいており、本当に頭の下がる思いです。
また、このことは福祉分野においても同様であり、「まるで戦場に素手で立ち向かうようなものだ」との声が象徴するように、衛生用品が不足する中で現場に赴かなければならないことや、通常の勤務時間を超過して対応しなければならない状況に不安やストレスを抱え、自ら離職や休職をする方、逆に介護サービスの利用者が減少したことで、休職や退職を余儀なくされた方など、従業員にとっても本当に厳しい状況にあるとの声が我々の下にもたくさん挙がってきています。これらの労に報いるためにも従事者への個別支援も行うべきであると強く望むものであります。
【質問】
そこでお伺いしますが、新型コロナウイルス感染症対策に携わる医療従事者、介護や障害など福祉の従業員の方へ、何らかの支援をすべきとおもうがどうか。
【答弁】
新型コロナウイルス感染症への対応に当たり、医療や介護、障害福祉分野に従事する方々は、それぞれの現場の最前線で、感染リスクと厳しい環境のもと、強い使命感を持って、県民の生活を守ってくださっています。(知事より)改めて、県民を代表して、心から敬意を表するとともに、感謝を申し上げます。
国においては、先般、医師や看護師をはじめとする医療従事者や、介護・障害福祉事業所に勤務し、利用者と接する職員の方々への慰労金の支給を含む、第2次補正予算が成立したところであり、県としては、今後、この補正予算を活用した支援について、早急に検討してまいります。
【要望】
医療や福祉関係の従事者への支援について、国の2次補正による慰労金の支給が今後行われるので、県としても周知と円滑な給付への支援、県独自の上乗せ強化など、支援の強化に努めるよう要望する。
※補足説明
その後議会最終日に従事者への慰労金を支給する追加予算が盛り込まれました。
千葉県でのコロナ対策対応の医療従事者向け慰労金及び感染拡大防止等支援金について
① 新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金(医療分)
病院、診療所、訪問看護ステーション及び助産所において働く医療従事者や職員に対して、5万円から20万円の慰労金を支給します。
② 医療機関等における感染拡大防止等支援金
病院、診療所、薬局、訪問看護ステーション及び助産所に対して、新型コロナウイルス感染症の院内等での感染拡大を防ぐ取組の費用負担を支援します。
※詳しくは、県ホームページをご確認ください。 ↓
申請手続きは「千葉県国民健康保険団体連合会(ちばこくほ)」にて電子申請となります。(※7月28日から申請開始)
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