4点目はひとり親家庭等医療費等助成事業の現物給付化についてです。
ひとり親家庭の特に母子世帯における経済的脆弱さは以前から指摘されている通り、仕事をしている方の半数近くが非正規雇用にあり、その年間収入の平均は200万円、貯金も50万円以下が4割を超えているなど、ぎりぎりの生活を送っています。
こうした中、一般社団法人ひとり親支援協会がコロナ禍の影響をアンケート調査したところ、収入が去年よりも減った、もしくは減る見込みとの回答が67.1%、逆に支出が増えたとの回答が86.3%にも上り、学校、保育所、勤務先の休業など就業環境の激変に巻き込まれ、家計への悪影響が明らかになっています。
そのうえ、ひとり親世帯が活用できるコロナ禍に係る支援策では給付までに時間を要しています。
このように今、ひとり親家庭の中には医療費の立替に苦しんでいる方もいらっしゃることから、ひとり親家庭の医療費助成の現物給付化は生活を守るうえでの大きな役割を果たすと言えるのではないでしょうか。
我が党はこれまでひとり親家庭医療費の現物給付化について、平成24年2月の予算委員会を皮切りに、平成25年2月予算委員会、平成30年6月、令和元年6月、同年12月の本会議でも取り上げ、令和2年2月の代表質問でようやく「令和2年度中の実施を目指す」との答弁をいただきました。
しかし、コロナ禍で状況は一変し、急ぎ取り組む必要から、年度内の一律スタートにこだわることなく、可能な市町村から順次開始ができるように進めていただきたいと思います。
【質問】
そこで、県としてひとり親家庭等医療費等助成事業の現物給付化をいつから行うのか。
【答弁】
ひとり親家庭等医療費等助成事業における現物給付化は、医療機関の窓口での支払いや償還払いの手続きの負担軽減となることから、移行に向けて、市町村をはじめ関係機関と協議等を進めているところです。
現在、制度の見直しに向けて、実施主体である市町村が、条例改正や医療費システムの改修等の必要な準備を進めているところであり、県としては、市町村の準備の状況を見ながら、年内を目途に開始できるよう努めてまいります。
【要望】
ひとり親家庭等医療費等助成事業の現物給付化について、年内を目途に準備の整った市町村から順次スタートへと前倒しするとのご答弁いただきありがとうございます。関係者には安心の一助に繋がり喜ばれることは間違いありません。どうか一日も早く事業が開始されるようによろしくお願いいたします。
※補足説明
「ひとり親家庭医療費助成」とは
母子家庭や父子家庭等の経済的負担と精神的不安を軽減し、母子・父子家庭等の自立を促進するため、医療費等(医科・歯科の入院、通院治療費、調剤費)に対して本人負担上限額を超える費用を助成する。
〇対象者
健康保険等に加入する母子家庭の母及び児童、父子家庭の父及び児童、父母のない18才の年度末までの児童等です。
〇所得制限等
所得により該当しない場合があります。生活保護世帯等は対象外の場合があります。
【現状の制度】
〇本人負担額
入院:食事療養及び生活療養に係る標準負担額
通院:レセプト1件1,000円
調剤:レセプト1件1,000円
〇手続き方法
医療機関窓口でいったん医療費を支払った後、後日、地元市区町村への申請により医療費が支給(本人負担上限額以上の費用が返還)される【償還払い】方式
↓ ↓ ↓
【制度の変更内容】
〇本人負担額
入院:1日300円
通院:1回300円
調剤:無料
〇手続き方法
医療機関受診の際、健康保険証等とひとり親家庭等医療費受給者証を提示すれば、医療費の窓口払いが本人負担額のみで済む【現物給付】方式
県内各市町村の早期取組を期待しています。
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